歯内療法
歯内療法=根管治療
歯内療法・根管治療とはどんな治療?
歯内療法とは、歯を抜かないための根の治療のことを言います。 そして、その中でも歯根の神経を取ったり、根管(歯の根の中の神経が詰まった管)内の菌を除去し、キレイにする処置を根管治療と呼びます。
同じお口の病気で、歯周病と歯槽膿漏も良く似た言葉で使い所も同じですが、こちらも歯周病の病状の一つが歯槽膿漏であって、それを歯周病と呼ぼうと歯槽膿漏と呼ぼうと大した違いはありません。
歯内療法と根管治療も考え方的には同じで、歯内療法の一部が根管治療であると考えてもらえれば分かりやすいのではないでしょうか。
歯内療法・根管治療が必要な症状
虫歯には段階があり、CO・C1から始まり、C2、C3、C4と徐々に進行していきます。
主にCO・C1ではエナメル質がやられて、C2では象牙質、C3・C4では歯髄(歯の神経)に達する虫歯となり、進行とともに治療の難易度は上がり、歯のダメージは大きくなっていきます。
通常、C3では抜髄という根管治療が必要な状態になりますが、中にはC2でも程度によれば抜髄が必要になることもあります。
つまり、歯内療法が始まるのはC2が進んだ状態からだと言えます。そして歯内療法の範囲を超えた状態がC4、すなわち歯を残せない状態であり抜歯となります。
歯内療法の種類
生活歯髄療法
歯髄を温存する治療
歯内療法は「歯を残すための治療」です。
そのため、根管に影響が及び始めた時点で、神経を取り除く前に根管への感染を防ぐ「歯髄温存」も歯内療法の一部です。
具体的にはMTAという特殊なセメントで、感染した歯髄のみを取り除き、抜髄を免れるための治療です。
初回根管治療
歯の神経を取る治療
歯の神経を取ることで痛みや炎症を取り除く処置です。
神経を取った歯は栄養が行き渡らなくなるため脆くなりますが、歯の予後を考えるとこの初回根管治療の正確さがとても重要になります。
近年では、この初回根管治療を正確に行う精密根管治療を希望される方も増えています。
再根管治療
再感染した歯の根の治療
過去に根管治療を行った歯が再感染したり、根尖病巣から炎症が起こった場合に再度根管治療を行うことを言います。
根管治療の成功率は保険診療で約50%とも言われるため、根管治療をされた方の2人に1人程度が再根管治療が必要になるとも言われています。
※根管治療の回数には限度があります。
歯根端切除術
最後の手段・外科的歯内療法
歯の根の病気は、実は歯の根の中だけにとどまらず、それを支える骨にまで影響を及ぼすこともある病気です。
神経が虫歯に侵されることで炎症を起こす「歯髄炎」は、いわゆる抜髄という神経を取る処置で炎症や痛みは収まります。
しかし、その歯が再度感染すると「根尖性歯周炎」という、歯の根の先に膿袋ができる病気になることがあります。
根尖性歯周炎は時に激しい痛みを伴いますが、再根管治療だけでは除痛出来ない場合もあります。
そこで最後の手段として考えられるのが「歯根端切除術」です。
歯根端切除術はその名の通り、歯の根の先を病巣ごと切り取る外科処置を伴った歯内療法です。
名前としては外科的アプローチによる治療ですが、こちらも「歯を残す」という意味合いにおいては、歯内療法の一部と考えられる治療です。
歯根端切除術は歯の根を残す最後の治療です。
歯根端切除術を行った歯は確実に寿命が短くなり、再感染すると次は抜歯に至ります。
そうなる前に、しっかり治療して予防歯科に通うこと、再発リスクの低い治療を選ぶことで、神経を取った歯でも長持ちさせることが可能です。